アラフィフWの毎日徒然

人生半分を過ぎて過去現在の関心、興味の赴くままにコラム、たまに愚痴なども。

身近にもいる愛すべきろくでなし 映画「苦役列車」後編

 

 

 

ご訪問ありがとうございます。

 

 

 

前半からの続きで映画「苦役列車」を投稿しています。

 

ネタバレしています。

ご了承ください。

 

原作は作家・西村賢太さんの実体験をもとにした芥川賞受賞の同名私小説

 

舞台は昭和50年代後半の東京。

 

中学を卒業してから親元を離れ日雇い人足でその日暮らしをする

主人公・19歳の北町貫多。友なし、金なし、女なし。

 

唯一好きな事は「読書」

 

 

アパート代を滞納してもお酒とタバコと風俗は欠かさない。

 

日雇い先で知り合った同い歳の専門学校生・日下部と友人になり、

よく行く古本屋のアルバイト・康子とも親しくなるが

普通の若者と価値観が合わず2人は次第に貫多から離れて行く。

 

 

映画鑑賞していて、これだけ心に刺さって何度も見たくなる作品は珍しいです。

 

誰もが持っているクズでダメな部分を貫多が全て体現しているのに

何故だろう?

 

それでも観ていて羨ましいのは、20歳前に既に一番好きな事を見つけていて

自分で自覚している、この一点につきます。

 

「本を読むことしか楽しい事がない」

 

「いつか本を書いてみたい」

 

普通ならモラトリアム真っ最中であろう10代後半、

大学生なら、パチンコやお酒、タバコは誰も特に驚かない。

親の脛をかじって時には単位を落として留年だって許される。

 

そんな時期に貫多は自活しながら、自分の中の「何かを」

探し当てている。

 

それはいくら性格が良くても、真面目でも、普通の家庭に育っても

なかなか叶わない、世間の大多数が探せないで社会へ出て行く、それが

現実です。

 

 

私も一生懸命生きてきたつもりだけど探せなかったかな。

 

 

 

 

主演の森山未來くんのクズっぷりが見事、

劇中では森山未來に顔立ちは似ているが全くの別人でした。

 

昭和に作られたような映像と雰囲気がとても良かったです。

エンディングのドレスコードの「Trash」も効いてました。

 

 

リピート率としては星4から5。

私のような年代の人だったら共感出来ると思います。

小説はこれからですけど楽しみ。

 

 

 

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